秋田市民のみなさまへ

新型コロナウイルス感染症に伴う多くの情報が錯綜する中、市民の皆様はご不安な日々をお過ごしのことと存じます。

一部では歯科診療が感染源になるような印象を与える報道が見受けられますが、私たちは新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前から、肝炎ウイルスやHIVなどを念頭に感染対策を常時行っております。現在のところ、我が国では、新型コロナウイルスが歯科診療により患者さんへ感染した報告はありません。

むしろ、歯科診療は感染源になるどころか、感染症の罹患予防・重症化予防になります。例えばインフルエンザは定期的に歯科衛生士が口腔清掃を中心としたケアを行うと罹患率が下がり、歯科感染症のある人はない人に比べて重症化しやすいことが知られています。
また、歯科診療の中断は、口腔衛生状態の低下を招き、免疫力の低下や細菌性肺炎のリスクを高める恐れがあります。さらには新型コロナウイルス性肺炎に罹患した際、重症化しやすいことが明らかになってきました。介護現場等での口腔環境の悪化は、特に肺炎重症化のリスクを高めます。

今は誰もが新型コロナウイルス感染症にかかる可能性がある時だからこそ、命を守るためにも、口腔ケアが大事です。
 診療の継続・延期、メンテナンスの継続・延期など、ご自身での判断をなさらずに、かかりつけ歯科医にご相談ください。

今後も私たち歯科医師は、より一層感染予防策の徹底を周知し、皆様のお口の健康を守り、身体の健康を守るために頑張ってまいります。

2020年5月11日
一般社団法人 秋田市歯科医師会