歯に歯垢がついて細菌が繁殖し歯肉に炎症が起こると、歯と歯肉の境目(歯周ポケット)から血や膿が出てくるようになります。そして骨を溶かす破骨細胞が活発に働くようになって骨が少なくなると歯がぐらぐらしてきます。このような病気を歯周病といいます。
監修:須貝歯科医院 須貝昭弘先生 「デンタルなぜ?なに?PART2」GC友の会 会員特典から引用
歯肉に歯ブラシが触れると血が出る状態は歯肉炎で、まだ歯を支える骨にまで病気が進行していないこともあります。このときの歯肉は、赤くなって丸くふくれた感じになっています。
この状態から歯周病は始まるので、歯みがきをするときやリンゴを食べるときに歯肉から血が出たら要注意なのです。
歯肉に触ると血が出るのは、歯の周りについた歯垢に棲み着いた細菌が、歯肉に悪い刺激を与えているからなのです。出血するのは、歯肉に炎症が起きるからとされています。特に、軟らかい食べ物をよく噛まないで食べているとこうなります。
歯は本来、骨の窪みの中に短い繊維によって骨に結びつけられています。この繊維は歯の根の表面の組織に入り込むと同時に、骨の組織にも入り込んでいます。
正常な場合の歯はビクともしないように見えますが、実はこの繊維結合のために50μ程度は揺れるものなのです。鏡を見ながら、自分の歯を指でつまんで横に揺すってみてください。1ミリも動けば、問題です。
そのくらいは動いても痛みは伴わないものなので、意外と気がつかない人が多いです。痛みを感じる前に、歯周病検診を受けることをお勧めします。
歯肉が赤く腫れて、そこから白い膿がにじみ出てくるようでしたら、正真正銘の歯周病です。歯肉から膿が出るようになると、吐く息がとても臭くなります。こうなった人とバスや電車等で乗り合わせたらかないません。これは、口害(公害)です。
歯肉に指を当てて、押してみてください。歯と歯肉の境目(歯周ポケット)から膿が押し出されるようでしたら、かなり危険な状態です。これは歯と歯肉の間に、骨を溶かす細菌が棲み着いている証拠なのです。しっかり歯みがきをしないと数年も経たないうちにぐらぐらになるかもしれません。歯周病検診を受けて確認してもらいましよう。
また歯周病には歯垢の問題の他に、噛み合わせの力加減や、歯ぎしり(ストレス)、喫煙、骨粗鬆症、糖尿病など免疫の問題も関与しています。気軽に相談でき、指導をしてもらえる歯科医院を持ちましょう。
監修:須貝歯科医院 須貝昭弘先生 「デンタルなぜ?なに?PART2」GC友の会 会員特典から引用